投稿

10月, 2020の投稿を表示しています

【ブリヤートの歌】真っ赤なユリ(Улаалзай)

イメージ
今回紹介するのはブリヤート民謡の「真っ赤なユリ」(Улаалзай)です。 紹介する動画の歌手はСарюна Бимбаеваサリョーナ・ビンバエヴァです。 彼女は「Мүнгэн хонхонууд(ムンゲン・ホンホノード:ブリヤート語で銀の鐘)」というブリヤート民謡を歌う子ども向けボーカルスタジオの出身で、スタジオの中でもその歌唱力と表現力により群を抜いて有名なアーティストの一人のようです。 現在はどのような活動をしているのかは未調査ですが、大御所歌手になるポテンシャルをビシビシと感じるので活動を続けていてほしいなあと願っています。 オラールザイはLilium martagon マルタゴンリリー というユリの一種です。 マルタゴンリリーはヨーロッパからシベリアに至る広大な地域で自生するそうです *1 。 この歌詞には「真っ赤なユリ( Уб улаахан улаалзай )」という表現が繰り返し出てきます。Улаан(オラーン)やУлаахан(オラーハン)はブリヤート語で「赤色」を意味します。 Улаа лзай( オラー ルザイ)という語から予想するに、モンゴル高原~シベリアにかけて咲くマルタゴンリリーの仲間は赤色なのでしょう。 今回の翻訳では、曲名は「真っ赤なユリ」にしてみました。マルタゴンリリーだと厳つい印象が出てしまうことと、ブリヤート語のУлаалзай(オラールザイ)の持つ意味を活かしたかったことが理由です。 ちなみに、у б улаахан(オヴ オラーハン)の「у б(オヴ) *2 」のように色彩を表す言葉(この例だと улаахан赤色 )の前にその単語と似た響きの強調用単語をつける表現はモンゴル諸語によく見られます。 ハルハ・モンゴル語でいくつか例を挙げてみます。 ув улаан(オヴ オラーン) 真っ赤な цав цагаан(ツァヴ ツァガーン) 真っ白な хав хар(ハヴ ハル) 真っ黒な *1 札幌百合が原公園webサイトより  https://yuri-park.jp/odheo/10525/ *2 ブリヤート語では原則としてв(v)の字はあまり使わず、モンゴル文字でbと表記される部分はб(b)で転写するため、 у в  улаанは у б  улаанと書きます。ただし、ブリヤート語では語頭を除くбの音は基本的にはв(v

ザハーミンの「若きボダムショー」(Buryad Unen, 2020年10月19日)

イメージ
今回はウェブ版ブリヤート・ウネン紙の2020年10月19日付の文化芸術面の記事を翻訳しました。 元記事: Захааминай "Эдир Будамшуу" ザハーミンの「若きボダムショー」 ©写真: minkultrb.ru «Эдир Будамшуу – 2020» гэһэн харалган Захааминай аймагта эдэ үдэрнүүдтэ боложо дүүрэбэ. 「若きボダムショー* 2020」という発表会がザハーミン地区(ロシア語:ザカメンスク地区)でにおいてここ数日間開催され、無事終了した。 Аймагай үхибүүдэй нэмэлтэ һуралсалай түбэй мэргэжэлтэд тус харалганиие эмхидхэжэ, эгээл бэрхэ, буряад хэлэеэ һайн мэдэхэ, шуран хүбүүдые элирүүлбэ. ザハーミン地区の児童成長教育センターの専門家らは各発表を指導し、ブリヤート語をよく知る非常に素晴らしく賢い子どもたちを聴衆に見せた。 Хабаадагша бүхэн монолог, уран шүлэг уншаба, нэгэ дуу гүйсэдхэбэ. 発表者は全員モノローグと詩を朗読し曲を一つ歌った。 Ородой Холбоото Уласай, Буряад Уласай габьяата зүжэгшэн Олег Дамдинович Бабуевай ударидаһан шүүгшэд иимэ дүнгүүдые гаргаба: ロシア連邦ブリヤート共和国の有名な俳優オレグ・ダムディノヴィチ・バブエフに師事した審査員らは以下の結果を発表した。 Шангай түрүүшын һуури Дүтэлүүрэй дунда һургуулиин һурагша  Эрдэм Цыренов эзэлээ. Хоёрдохи һуурида Хуртагын дунда һургуулиин эгээл бэрхэ һурагша  Бато Цыренов гараа. Гурбадахи һуури Үлэгшэнэй дунда һургуулиин һурагша Санжи Дамдинов

ブリヤート語の歌翻訳まとめページ

ブリヤート語の歌を翻訳した記事をまとめました。曲のタイトルをクリックするとその記事に飛びます。 伝統民謡系 ・ あいさつの歌 Амаршалгын дуун ・ あいさつの歌(ソクティン・ドルジン版) Амаршалгын дуун ・ ヨーホル・ナーダン:輪になっておどろう Ёохор наадан ・ 真っ赤なユリ Улаалзай 現代の楽曲 ・ 約束(性悪なブリヤートの女の子) Amlal(муу зантай буряад басаган)/ Wakka ・ 熱情 Khaluut/ Ginjin, Saryuna, Alihan Dze

【ブリヤート語の歌】ヨーホル・ナーダン(輪になっておどろう)

イメージ
今回はブリヤートの有名な民謡「ヨーホル・ナーダン」を紹介します。 Ёохор наадан、Ёхор наадан、Ехор нааданなど複数の表記ゆれがありますが、読みは全てだいたい一緒なので以下はカタカナで表記させていただきます。  本記事タイトル「ヨーホル・ナーダン(輪になっておどろう)」の()内の日本語訳は「ヨーホル・ナーダン」というブリヤート語の訳ではありません。この歌を歌いながら手をつないで輪になって踊る様子から「これブリヤート版のWAになっておどろうでは…⁈」と私個人のセンスで付けた副題みたいなものです。個人的には結構この副題を気に入ってるので、ブリヤート語民謡を収録した本が出る場合にはこれ使ってくれないかな?と他力本願的に思っています。 それではヨーホル・ナーダンの本当の意味は何かというと、「ヨーホル」は手をつないで時計回りに回るブリヤートの踊りのことを指し、「ナーダン」は遊び全般のことを指します。ヨーホルがよく踊られる時期は、サガールガンというチベット仏教の旧正月の頃です。ウラン・ウデ市では、サガールガン時には市中心部の劇場前広場で大きなヨーホルが毎年踊られているようです。回る方向は時計回り、正確には「太陽の回る方向回り」が正式とされているようですが、反対向きに回っている人たちの動画も割と見かけます。 ヨーホルの種類はたくさんあり、今回紹介するヨーホルはそのうちのひとつです。今のところ私がヨーホルとして感知しているメロディーは3つほどですが、もっとそれ以上の数のヨーホルがあると考えられます。Youtubeでヨーホルと検索すると、「イルクーツクのヨーホル」「トゥンカのヨーホル」など「(地名)のヨーホル」がいっぱい出てきます。みなさんのお気に入りのヨーホルを見つけてみてください。 おまけですが、Alihan Dzeが近年出した曲のいくつかはヨーホルのリズムを参考にしたらしいのですが、ちょっと聴いただけではヨーホルの何を参考にしたのかが分からないメロディーラインの曲もあります(ちゃんと分析すれば分かるのでしょうがこのブログではやりません)。ヨーホルと名の付くメロディの異なる曲がいっぱいあることも併せて考えると、極論を言えばヨーホルという歌詞が入っていてブリヤート人が輪になって踊ればそれがヨーホルなのでは?と感じました。 今回の歌詞翻訳はメロディに載せ

【古モンゴル語+現代モンゴル語+現代ブリヤート語の歌】熱情(Khaluut)/ Ginjin, Saryuna, Alihan Dze

イメージ
今回はモンゴル国の大人気ラッパーGinjin、ブリヤートの人気歌手SaryunaとラッパーAlihan Dzeが贅沢にコラボした曲「Khaluut」を翻訳しました。 この三人がコラボした経緯について簡単に語られたネット記事があったので、それに関しては次のブログ記事で翻訳して紹介しようと思います。 Saryunaは古代モンゴル語 、 Ginjinは現代ハルハ・モンゴル語 、 Alihan Dzeは現代ブリヤート・モンゴル語 で歌っています。この事実だけでモンゴル諸語マニアはご飯三杯くらいいけるんではないでしょうか。 この曲の公開日は2020年2月2日で、このブログ記事執筆時の2020年10月12日現在で190万再生を突破しています。モンゴル国の人口が310万人強、ブリヤート共和国に至っては100万人にもとどかないことを考えると、モンゴル人やブリヤート人のこの楽曲への関心の高さがうかがえます。 Khaluutはモンゴル国の人気映画シリーズ「Single Ladies」の第4作目の主題歌となったため、公式PVではちらちらと作品の舞台となった古モンゴル帝国風の映像が挟まれています。映画は現代に生きる独身モンゴル人女性たちがチンギス・ハーンの時代のモンゴルに飛ばされちゃってどうしよう!というものみたいです。映像が素晴らしかったので映画本編をいつか見てみたいです。映画を見てからだと、この歌詞の意味ももっと分かるのかもしれません。 (ちなみに、歌詞と突き合わせながらこの曲を聴くと分かるのですが、Alihan Dzeパートの歌詞詰め込み具合がいつもの彼の楽曲以上にやばいです。たぶんこれ人に歌わせる気ないです。一応、翻訳の際は頑張って拍取りつつ「あーなるほどこの拍と拍の間にこの単語までを詰め込んじゃうのね」と歌って確認しましたが、これは一人/一本撮りでは歌うの辛いし普通の人があのメロディーに合わせて書くリリックではないです。歌えるかもしれませんがライブ向きではない。息継ぎって概念知ってる?キリル文字が読める皆さんはAlihan Dzeパートを歌ってみてぜひ彼のやばさを体感してください。ここまで結構文句を言いましたが、何度か練習して一応原曲スピードで歌えるようにはなったので人間が歌えないことはなんだなと分かったのですが、他の二人パートが歌いやすすぎと感じるくらいにはここだけ難易度違いま

【ブリヤート語記事翻訳】ブリヤート語による情報テレビチャンネルが国内に設立

イメージ
ロシア連邦ブリヤート共和国で発行されているブリヤート語新聞「ブリヤート・ウネン」紙のweb記事を翻訳しました。 元記事: ​ Буряад хэлээр мэдээсэхэ телесубаг улас дотор байгуулагдаха ブリヤート語による情報テレビチャンネルが国内に設立 2020年10月7日付 © фото: Анна ОГОРОДНИК  ブリヤート語による情報テレビチャンネルが設立されるという報道が最近発表された。ブリヤート共和国のアレクセイ・ツィデノフ大統領は10月6日にテレビ局ATBでインタビューを受けた際、この件について答えていた。 Буряад хэлээр мэдээсэхэ телесубаг байгуулагдахань гэһэн һураг һүүлэй үедэ таранхай. Буряад Уласай Толгойлогшо Алексей Цыденовэй октябриин 6-да АТВ телесубагта интервью үгэхэдэнь, энэ асуудалда харюусахыень хандаһан байна. ―ブリヤート語の情報テレビチャンネルを設立するという報道は本当ですか? - Буряад хэлээр мэдээсэхэ телесубаг байгуулагдахань гэһэн һураг үнэн гү? ―本当です。この活動が計画され、現在はその可能性が見えています。イルクーツク市、南バイカル地域と、アガ・ブリヤート地区とともに以前から協議していました。これは、ブリヤート人たちの居住する領域には情報番組が必要だということです。もう一度言いましょう、イルクーツク市、南バイカル地域、そしてブリヤート共和国です。私たちは集まって活動しています、資金収集も共にやっています。意義ある大きなチャンネルとなるでしょう。全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社(ВГТРК)と「セレンガ」テレビ局に(チャンネルを)設立する見立てです。資金面の準備もします。資金を集め、良質で多くの人に情報を届ける局を設立するだろうと言われています。ブリヤート語の問題は重要で、言語を発展させる活動をしています。 - Үнэн. Энэ ажал түсэблэгдэнхэй, мүнөө арг

【モンゴル語記事翻訳】ラッパーDze: モンゴルの若者よ、平和と友好を大切にし多くのことに貢献し合おう

イメージ
今回は DORGIO INFORMATION GUIDE の2015年9月9日付の Alihan Dzeのインタビュー記事 を翻訳しました。 ラッパーDze:  モンゴルの若者よ、平和と友好を大切にし 多くのことに貢献し合おう 2015-09-09 若者たちはロシア・ブリヤートのバンド「Hathur Zu」の曲を聴くのが好きだ。このバンドのメンバーであるラッパーのDzeことD. アルダルがモンゴルに来た。彼と作品について話し合ったことを読者に届けよう。 ―こんにちは。 ―こんにちは。   ―モンゴルに来た印象は? ―他人の土地に来たって感じじゃない。国境によって分けられたけど、互いを仲良く暖かく思い、互いに助け合うべきと思っている。モンゴル民族はどこに暮らしているかは関係なく、俺たちはまとまるべきだ。 ―作品はどうですか? ―俺たちのバンド(Hathur Zu)は解散し、それぞれが自分の作品をつくり上げるようになった。俺は自分でソロアルバムを出すために活動に取り組んでいる。創作活動をする主な目的はブリヤート語を復活させることとヒップホップをブリヤート語で歌うこと。歌以外にはクリップや映画を作っている。映像作品は2つ作った。 ロシア・ブリヤート人は少数民族だ。だから若者はロシア語でずっと話していて全くブリヤート語で話さない。だから、俺たちはブリヤート語を取り戻し目覚めさせ知ってもらうおうと思い始めた。今、俺は作品をブリヤート語で届け始めて、ブリヤートの若者はブリヤート語を理解して話すようになってきてはいる。例えば、彼らはブリヤート語講座も受けている。以前はブリヤート語を話さなかった人があいさつするとき、「こんにちは」ってブリヤート語であいさつするようになった。これを見ると、俺は作品を通して手本を見せてるということの表れなのかなと思う。ただの歌手だけとしての活動よりも、それ以上にもっと貢献する必要がある。 次の10月にウラン・ウデの映画館4つで上映されるモンゴル映画の開会式で歌を歌うことになった。そこでモンゴルのアーティストたちと大規模なコンサートが行われる。数日後にクリップを完成するように活動に取り組んでいる。 モンゴルの若者たちと共に仕事ができて嬉しい。隣国と友好関係にあるという大きなきっかけになる。これによって開かれていると俺は理解しているよ。 ―作品の特徴は?

【モンゴル語記事翻訳】まもなくロシアで開会式が行われるモンゴル映画の歌に「MC DZEが生命を吹き込む」

イメージ
今回は2015年9月11日付のAlihan Dzeに関するモンゴル語記事を翻訳します。 まもなくロシアで開会式が行われるモンゴル映画の歌に「MC DZEが生命を吹き込む」 2015-09-11 05:51 ブリヤート初のバンド創設者の「 ХАТХУР ЗУ(Hathur Zu) 」というヒップホップバンドの楽曲を、ヒップホップリスナーの若者は皆知っているだろう。バンドのラッパーDzeあるいはD. アルダルは、今週モンゴルで活動して帰国した。 そのモンゴル映画を国際市場へ出すべく制作している「モンゴル映画基金」社の協働メンバーの招待で(Dzeはモンゴルに)参上した。もうまもなくウラン・ウデ市で開会式が行われるモンゴルの映画楽曲を(彼は)歌っており、クリップ撮影を行い帰国したという。 クリップ撮影はハス・メディア・エンターテイメントが行った。クリップはまもなく一般公開されるそうだ。 さらに強調することは、「モンゴル映画基金」社の協働メンバーは、モンゴルのクリエイターの多くの素晴らしい映像作品をロシアとカザフスタンの映画サイトを通じて外国の視聴者に届けることになったということだ。モンゴルのクリエイターがこの出来事を待っていたことに疑いはない。 新しいクリップ撮影の様子の写真を届けよう。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 元記事: Удахгүй Орос улсад нээлтээ хийх Монгол киноны дууг "МС DZE амилууллаа" - Урлаг.мн

【モンゴル語記事翻訳】ブリヤートのヒップホップバンド「Hathur Zu」の作品…

イメージ
Hathur Zuに関する記事の翻訳です。文化ニュースサイトУрлаг.мнの2012年8月26日付の記事より。 ブリヤートのヒップホップバンド 「Hathur Zu」の作品… 2012-08-26 12:55 ブリヤート共和国ウラン・ウデ市の「Hathur Zu」というヒップホップバンドの作品がモンゴルのヒップホップを愛聴する若者に非常に気に入られている。当サイトの方からは、このバンドの「Хатхур Зу(ХХЗ) - 90он」(Hathur Zu(HHZ) - 90年)という名の音楽クリップを視聴者たちと共有しよう。 ※元記事に貼られていた動画リンクが切れていたため、同名の曲の動画を代わりに貼ります。参考にどうぞ。 元記事: Буриадын "Хатхур Зу" хип хоп хамтлагийн бүтээл... - Урлаг.мн

Хатхур Зу(Hathur Zu)関連記事まとめページ

本ブログ内のХатхур Зу(Hathur Zu)関連記事翻訳をまとめたページです。 翻訳元の記事が発表された時系列順に並べてあります。 2012年8月26日  【モンゴル語記事翻訳】ブリヤートのヒップホップバンド「Hathur Zu」の作品… 2013年2月26日  【モンゴル語記事翻訳】ブリヤートのバンド「Hathur Zu」の目的は金や名声ではなく民族の言語・文化の宣伝と見解の表明 2015年9月9日  【モンゴル語記事翻訳】ラッパーDze: モンゴルの若者よ、平和と友好を大切にし多くのことに貢献し合おう 2015年9月11日  【モンゴル語記事翻訳】まもなくロシアで開会式が行われるモンゴル映画の歌に「MC DZEが生命を吹き込む」 2019年8月21日  【モンゴル語記事翻訳】ヒップホッパーのショーがモンゴル国立競技場で開催

【モンゴル語記事翻訳】ヒップホッパーのショーがモンゴル国立競技場で開催

Hathur Zu関連のモンゴル語記事翻訳です。2019年8月21日のMontsameの文化面記事より。 ヒップホッパーのショーがモンゴル国立競技場で開催 2019-08-21 11:36:45 ウランバートル/MONTSAME/. ヒップホッパーの最大規模のショーとなる「XXX-HIP HOP Trap Party」が今月30日にモンゴル国立競技場において二年目の開催を迎える。 「S&I」、「Vanquish」、「Ice Top」、「Dijital」、「Lyumino」、「Munkhiin rap」、ブリヤート人バンド「Hathur Zu」が楽曲を届けるほか、歌手のT. Munkh-ErdeneとBig Gee、N. TsetsegbilegとTsetse、DJ Zaya、KiwiのD. Ulambayarらをはじめ約40のバンドや歌手が参加する。 モンゴルのその時々のヒップホップバンドや歌手を集め、現代のトラップの流行の主な代表となったクリエイターを招待する「XXX-HIP HOP Trap Party」のチケットは15000トゥグルク、友人セットは30000トゥグルク。 元記事: Хип хопчдын шоу Төв цэнгэлдэх хүрээлэнд болно - Монцамэ 【固有名詞】 Төв цэнгэлдэх хүрээлэн=Үндэсний Төв Цэнгэлдэх Хүрээлэн=National Sport Stadium of Mongolia=モンゴル国立競技場

【ブリヤートの歌③】約束(Amlal)/ Wakka

イメージ
今回は内モンゴル出身のブリヤート人ラッパーWakkaのメジャーデビュー曲「約束」(Amlal)を翻訳します。 正式な曲名は「Amlal (бурятка с плохим характером / муу зантай буряад басаган)」――「約束(性悪なブリヤートの女の子)」です。 ブリヤート語はたくさん単語を詰め込むようなラップは日本語と同じ理由(母音が多いから)で難しいと思っていたのですが、彼女はその予想を見事に破壊してきて鳥肌がたちました。 Wakkaはロシア・ブリヤート人とは異なる発音をしているので、ロシア・ブリヤート人の歌う歌を聴きなれてから彼女の歌を聴くと諸々の違いが楽しめると思います。 歌詞と突き合わせてラップを聴くと、ハルハモンゴル語と似たようなリダクションをしていることに気づくと思います。なるほど音を省略するならここなんだな、などの見当をつける勉強にもいいと思いました。加えて、ロシア・ブリヤート人はhの発音が苦手になってきているという話もあるのですが、彼女は内モンゴル出身の恐らくシネヘン・ブリヤートの方のため、hの発音がしっかりхと分けられています。 楽曲解説というよりも発音マニアみたいな文章になってしまいました。 PVでWakkaがさまよっているのは中国内モンゴルのどこかの都市のようですが、特定ができませんでした(2020年10月3日現在)。トランクを持ってさまよっているということは、家出をしたのでしょうか、自宅から独立したけれど行く当てがないのでしょうか、それとも旅の途中なのでしょうか。PVはニュアンスなんだよという意見もわかりますが、映像で何を表現したかったのか考えたい派なので、何か思いついたらこの記事の続きを書くかも。書かないかも。 また、関係ないかもしれませんが、Хатхур Зу(Hathur Zu)も中国の都市の中でブリヤート語ラップを歌うPVを出していました。ブリヤート語楽曲のPV背景に中国を選ぶ理由はなんでしょうね。シネヘンを想起させるためなのか、異国感を出すためなのか、それとも単に現代の中国人気に乗ったものなのか…?だれかPVの背景について考察している論文や記事があったら教えてください。 そういえば、曲のサブタイトルは「性悪なブリヤートの女の子」ですが、なんで「性悪」ってつけたんでしょう。翻訳をしていると、好きに

【モンゴル語記事翻訳】ブリヤートのバンド「Hathur Zu」の目的は金や名声ではなく民族の言語・文化の宣伝と見解の表明

イメージ
これはブリヤートのヒップホップバンドの「Хатхур Зу」(以下Hathur Zu)について紹介したモンゴル語ニュースサイトSonin.mnの2013年2月26日付の記事を日本語訳したものです。 元記事へのリンクはこの記事の下部にあります。 ブリヤートのバンド「Hathur Zu」の目的は金や名声ではなく民族の言語・文化の宣伝と見解の表明 モンゴル民族の切り離しがたい一部となったブリヤート人は、その大部分がロシア連邦ブリヤート共和国に存在する。 近年のブリヤート・モンゴル人の若者たちが母語と文化を忘れていることについても批判が頻繁に出るようになった。 それでは、ブリヤート方言を含むモンゴル語で作品が作られ、(ブリヤートの)地域周辺において非常に有名になっているひとつのヒップホップバンドをわがモンゴル人たちに紹介しよう。 それは、「Hathur Zu」である。 このバンドは2010年に結成された「Ssuriken」グループの一部で、「Ssuriken」に参加している2つのバンドから構成されたバンドである。バンドMCのDzeは、当初は「МХЛ」(MKhL)バンドとSong[MC]「Kangwooni」バンドのメンバーだった。現在の「Hathur Zu」バンドを結成する際に非常に重要な役目を果たしたのはLGという青年であった。LGは「Ssuriken」グループの最年少メンバーで、才能あふれる特別な耳を持つ天才ビートメーカーである。「Hathur Zu」バンドは自身のモンゴルとブリヤートの文化や言語を誇りとし、民族と起源を敬い、祖先を称える。 バンドMCのDzeはブリヤート初のバンドの創設者で、一般にはブリヤートのヒップホップを存在たらしめた人々の一人と言われる。 Dzeはホリ・ブリヤート人だ。しかし、LGはカルムイク人である。  このバンドにはSanaaという名のモンゴルに起源をもつブリヤート人青年がいる。ブリヤートの「Hathur Zu」バンドの目的は、金や名声ではなく民族の言語や文化を知らしめ、見解を表明することだという。このバンドは2011年に「Зам」(zam、ブリヤート語で道)というアルバムを発表し、翌9月からは次のアルバムに取り掛かる。新しいアルバムはおそらくブリヤート方言であり、モンゴル国の数人のヒップホッパーたちと共に作品をつくる予定だ。 元記事 Бур