【ブリヤートのことわざ】ことわざに頻出する表現:故郷、家族、友情、労働…
最近、シベリア留学してた女子院生(元シベリア留学してる女子大生)の完全な後継とはいえないものの、それに近い内容を発信するTwitterを始めました。 シベリアペンギン(@siberia_penguin) このアカウントでは、ブリヤートのことわざを毎日つぶやくようにしています。自分のブリヤート語の勉強と、ブリヤートに興味を持つ人を増やす目的です。 さて、ブリヤートのことわざを調べるようになって、ネットで検索してすぐ見つかるくらい有名なものには以下の特徴があると感じています。それは、形式面では二行詩のような形式をとっていること、頭韻と脚韻を踏んでいること、一行目と二行目は意味の面で対立していること、そして内容面では故郷をテーマにした内容のものが多く存在することです。 自分の感じたこと(特に内容面)は果たして本当にブリヤートのことわざの特徴といえるのか。研究者の見解を知るためアマゾンの奥地…ではなくロシア関係研究者おなじみのCyberleninkaへ向かい、内容について分析している論文のうち比較的読みやすそうな一本に目を通してみました。 今回参照した論文はこちら。 С.Д. Гымпилова(2011) Критерии определения ценностей в бурятских пословицах, Вестник Бурятского государственного университета. Философия, Улан-Удэ. ※著者のS.D.Gympilovaはロシア科学アカデミーのシベリア支部モンゴル学・仏教学・チベット学研究所の文学・民俗学部の研究員(2011年時点)。 上記論文によると、ブリヤートのことわざに多く含まれている観念は故郷、社会的義務、勤労、家族、愛、友情等とのこと。これは自分の実感とも適合しています。 頻出ワードだと感じている「故郷」について書かれている段落を読むと、「『故郷』という概念も『他所』という二項対立的位置づけにより示される」とありました。確かに、論文でその例として挙げられたことわざ(私がTwitterで紹介したものでもあります)がまさにそうでした。 «Өөрын дайда дулаан, хариин дайда хүйтэн» ロシア語訳:Родная земля теплая, чужая